2009年9月20日日曜日

究極のワインは、究極の当たり年にあらず?!


ご存知の通り、ブルゴーニュワインは単一品種で、赤はピノ ノワール、白はシャルドネのみから造られます。内陸部に位置するブルゴーニュ地方は、気象条件に大変影響を受けやすく、それゆえ「テロワール」と「ヴィンテージ」が率直に紡ぎだす純粋無垢なワインといえると思います。
私たちはよく、この年は外れ年、この年はまぁまぁ、この年は当たり年と、一喜一憂していますが、
どうなのでしょうか?究極の当たり年といわれる年のひとつ1969年は30年経ち、やっと飲み頃になり(秀逸な造り手の場合)、1923年、1937年、1945年、1947年、1949年、1959年も未だ現役のヴィンテージとして、私たち古酒ラヴァーを存分に楽しませてくれます。ということは当たり年は忍耐が必要ということになります。しかし外れ年は、いち早く、そしてリーズナブルに楽しめるメリットがあります。数知れない古酒を愛でてきた一般論ですが、ここに強烈にして愕然たる事実があります。
それは・・・Romanee Conti 1956!!!弊店の常連のお客様であるDr.O氏は究極のはずれ年の1956年のお生まれ、奥様共々、ブルゴーニュワインマニアで以前より50歳の誕生日にはロマネ コンティ1956年を持込から一緒に飲もうね!と嬉しいお言葉!!でも・・・腐ってたらゴメンネ・・とも・・・。
そのXデイの暫く前にお預かりし、色調を見る限り大変健全そう。そして当日、他のワイン殿下を楽しまれたトリとして登場。ゆっくりと慎重に抜栓、その高貴なブーションは無事に降りたち、この時の為に磨き上げたロブマイヤーにそっと注ぐ。その霊妙な液体は、未だ深いガーネット色を湛えトロリと粘性が有る。そして一嗅ぎ、思わずロブマイヤーを落としそうになるくらいの、優しく、そして凛とした高貴なシャンピニオンの香り、軽々にトリュフと発するのが躊躇われる、偉大なスーボワの芳香。驚く事に、予想に反し、旨み成分アミノ酸の香り(偉大な年のこの古酒にでる鰹節の香り)が現れない?もっと複雑にして豊かな晴れやかな表情だ。このワインの形容に使われる「完璧なる球体」を初めて実感する。そして2時間後もはじめの状態を保ち続け、いっこうに落ちる様子がない。正に驚愕!!!外れ年に初めて顔を出す偉大な「テロワール」がここにあった・・・。偉大な古酒が益々判らなくなる(^^;

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