2014年6月6日金曜日

世紀のワイン会

世紀のワイン会
 





アペリティフ
ポル ロジェ ブランドブラン2002
 
ウェルカムシャンパンには傑出したバランスのこれ! 
ボランジェ ヴィエイユ ヴィーニュ フランセーズ1985
 
艶のあるマロンドール、圧倒的にパワフルなマチエール。アイの巨人!
香木の香りが顕著。
スワーリングを繰り返すとクレームが踊る。
30年弱では、特徴である、”パリのこっくりした栗”は顔を出さない。
本日は一気呵成な世紀のワインを集めた会。
余韻は喉の奥に野太い蜜が宿る様。
偉大なプレ フィロキセラの漲る力。
コルトン シャルルマーニュ1990ドメーヌ コシュ デュリ
 
エッジにグリーンを湛えたイエローゴールド。
らしい・・・ナッツ香(実はモロ、ピーナッツだが)
飲み手は須らくこのパノラマにヤラレル。
ハッとするほど鮮やかで、辺りが明るくなるほど。
溌剌とした酸が下支えし、トロリと滑らかな噛めるような液体。
しかしギューンと舌を絞り込むようなミネラル。
やや辛口の切れ上がり。
余韻にはトリュフも香る。
雄大なコルトンの丘を体現する偉大なCC。
ムルソープルミエ クリュ ペリエール1989ドメーヌ デ コント ラフォン
 
ネットリ粘性のあるゴールドが鋭い眼光のようにキラリ。
カラメル、ミネラル蜂蜜、タンジェリンのコンポート。
タチアオイの爛熟した蜜の色香に蝶はただただ茫然自失。
20世紀に偉大なその名を刻んだ、黄金のペリエール。
モンラッシェ1986ドメーヌ ブシャール
 
美しくクリアな石清水の如く澄み切った面持ち。
巨岩から染み出たラベンダーの蜜。
大人しくあたたかく澄み切っている。
前2者程の派手さはないが、泰然自若とした王の風格。
 シャンベルタン1990ドメーヌ ルロワ
 
エッジに錆色が浮かんで来ている。
頗る美しいガーネット。
甘草に蜜が顔を出すが、未だ新樽香も顕著。
同1993年物よりかなり手強い。
エポワッスの皮、ハーブの蜜、舌を覆い尽くす大地の温かみ。
エネルギーが稲妻のように迸る大地の閃光。
2022分の1554
 ミュジニ1990ドメーヌ ルロワ
 
縁に美しく夕焼けが浮かぶが、前者より活力ある色調。
人嗅ぎでノックアウトされる。
妖艶なお花畑。
石灰のミネラルは綺麗に溶け込み、フランボワーズのダークチョコ掛け。
数少ない偉大なクロヴジョとも似ている。
スワーリングを繰り返していると、満開の白梅の清々しさ。
その後フッと香るのは薔薇の蜜。
292分の65
 ラ ターシュ1984
 
熱く黄昏たオレンジカラー。
オレンジピール、金柑ショコラ、スーボワに塩漬けの桜花、
酸の有り方が全体をまとめ、鮮やかを際立たせている。
大地から取り出されたエネルギーがグラスの中でうごめいている。
1984という小さな年こそ仕上がるワイン殿下
 ロマネ コンティ1986
 
儚くスレンダーで美しく淡いマホガニー色。
アタックはとても繊細で、スーボワ、シャンピニオンが香る。
温度上昇と共に、スーボワ、シャンピニオンはトリュフに変換。
らしい淡いマホガニー色は、ネッチリとして粘り腰。
流石”ワインの王 ・王のワイン”
 ロマネ コンティ1984
 
80年代中最も小さな年と言われる1984年
淡いが張りのあるガーネット、夕焼けに錆色が浮かび美しい。
大地から吸い上げられたエネルギーはまず、繊細で高貴な鉄、
マジックマッシュルーム、トリュフ粘土にフワッと香る塩漬け桜花^^
”甘くない尊い桜餅”
未だ頑健な酸、程よいアルコール、丸いタンニンの構成バランスが整っている。
しなやかで、たおやかな、正にビロードの喉越し。
レクストラ ガヴァンス1997
 
バルザックの時間を必要としない、完璧な貴腐ワイン。
夥しい脚、ねっとりトロリ。
過熟な白桃、上品なトロピカルフルーツ、飛び切り甘いが
酸とアルコールのバランスに秀でていて諄くない。
ドゥニ デュブルデュー博士の傑作!
 
 
本日のお料理 
びっくりトリュフ 
 クールダルモワーズとトリュフのサラダ
 ブルーオマールとトリュフのテリーヌ
 トリュフのシャンパングラニテ
 パンドカンパーニュ オー トリュフ
 クールダルモワーズ炭火焼トリュフソース
 フランス農家製フロマージュ
ルブロション、ブリアサヴァラン・トリュフ、ミモレット
 トリュフのリゾット
 トリュフのスフレ



 そのワインの本当の飲み頃を推し図る程のスペクタクルはそうない。
今回、マニアの貴方はナゼ84年と思われたでしょう^^
そうですね・・・!
80年代で最も外した年として有名ですからね^^
ロマネ コンティを理解するのはとても大変です。
あのラルービーズルロワ女史でさえずっと、
ラ ターシュのほうが好きだった・・・と述懐している程ですから。
こんな事を書くと頭を疑われますが(^^;
私はずっとロマネ コンティの真の偉大さを理解できませんでした。
(凡人ですから当然ですが。)
'29/'34/'35/'37/'45/'52/'54/'56/'59/'61/'69/'74/'76/'78/'80/'83/'84/'85/'86/'87/'88/'89/'90/'96
と、様々なヴィンテージを結果楽しんでまいりましたが、
1956年を楽しむまで、本当の偉大さを理解できませんでした。
1956年と言えば、50年代51年と並ぶ最も小さな年です。
(51年のロマネコンティは存在しませんが。)
弊店の超ご常連様の大原先生のバースデイヴィンテージで、
先生の50歳のお祝いにお持ち込み頂きました。
そのボトルは蝋封が割れ、液面も低いですが、
特有の淡い色で艶々に輝き、開ける前から素晴らしさを予感させました。
高貴な夕焼けがかったマホガニー色の液体は、
ゆらりとねっとりとし、舌に絡みついてきます。
アルコール、酸、果実味、丸いタンニンのバランスが頗るよく。
中でも最も出色な点は、”グラスの中で微動だにしない”事で
つまり、”落ちない”ことです。
その時間、”4時間”です。
私の中では
数十年経とうが、たとえ70年超えようが、”真の銘酒”は
3~4時間泰然自若としていることです。
ヴォギュエ・ミュジニ1945年
クロデランブレ1937年/1945年
が正にそんな酒でした。
ロマネコンティ1956年はここに並列に序すべき酒とその時確信しました。
その後さまざまな文献の中で学びましたが、
究極の造り手の最悪ヴィンテージ程
”綺麗にそのテロワールを映し出す!”と。
私の経験では、中途半端なヴィンテージではこれはでません。
最悪ヴィンテージが必要です。
ロマネコンティでいうと、50年代では1956年、
60年代では1965年、70年代では1975年/1977年、
そして80年代では1984年です。
 
今回もう一つ1984年ヴィンテージ情報がありました。
それは・・・、DRCの株主であるラルービーズルロワ女史が
メディアにこんな質問を受けました。
「今現実的に飲めるロマネコンティで、最も素晴らしいのは?」
その答えが、”1984年”でした!
1984年今一度飲んでみたいです^^”10年後に!!!”
真の実力を出すのに後十年・・・
ホントは20年と思っていますが、酒齢50年まで私が持ちません(^^;
 
ドメーヌ ルロワの特級90年2種が前座です。
特にミュジニ90年は、世界で292本しか存在しません。
私の90年以降で圧倒的NO1のワインです。
その妖艶さたるや、活字にできません(^^;
 
白は、パーカー氏100点+3点のコシュデュリCC90年
あの艶やかなピーナッツ香、久しぶりに思い出しました^^
フランス20世紀100ワインのラフォン・ペリエール89年も
流石艶やかなワインです。
この究極白に、不調期のブシャール・モンラッシェ1986年もの。
全てが調和したその様は、文句なく王様でした。
 
VVF'85 19世紀から連綿と受け継がれた、フィロキセラ禍の際
アメリカの台木に接ぎ木をせずに生き残った古樹。
”白いカラスを見つけるより困難”
といわれる夢のシャンパーニュ。
皆様には「最後の一口は、ロマネコンティの後にとっておいてください。」
とお願い致し、皆様に最後にニコッとして頂きました。
 
世紀のワイン会又いつの日か開催したいと存じます。
ご参加頂きました皆様、有難うございました。
 
大変長文にて失礼いたしました。


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